三越伊勢丹グループは、グループで働く従業員が、法令をはじめ倫理や社会規範等を順守していくために、コンプライアンスを価値観や意識・行動まで根づかせ実践することが重要であると考えています。
そのために、役員および従業員の行動規範とする、「三越伊勢丹グループ企業倫理行動基準」を制定し、全社に浸透を図るとともに、コンプライアンス体制の維持・向上に取り組み、社会的信頼の確保に努めています。また、お客さま・お取組先や従業員との関係性において順守すべき法令や倫理行動の指針をまとめた「コンプライアンス・ガイドブック」を社内イントラネットに掲示し、日々の業務における法令遵守の周知徹底を図っています。
「コンプライアンス・リスクマネジメント推進会議」下部部会として「コンプライアンス推進部会」を設置。法令・倫理・社会規範順守の啓発・実践促進はもとより、ソフトロー分野まで幅を広げた議論、検討を行っています。2022年度からは特に経営層を対象とした取り組みを進めています。 「コンプライアンス推進部会」は経営層を対象とし、実務者対象の会議体と区分した会議体として、法令・倫理・社会規範やソフトローにまで幅を広げ、取り組みを進めています。
一方で、実務者対象の会議体では、個人情報管理・食品衛生事故防止と、「営業上のコンプライアンスの具体的項目」としての独占禁止法(カルテル談合等)・下請法・景品表示法を取り上げ、実務チェック・予防の実践的活動を行っており、コンプライアンス推進部会においてその活動状況も共有しています。
① お客さま:個人情報保護の取り組み
お客さまからお預かりする個人情報を適切に管理し、正しく利用するために、「プライバシーポリシー」を制定・公開し、お客さまの信頼とご期待にお応えしています。
また、「個人情報取扱規程」を定め、適切な利用と厳重な保護管理を規定しています。
② 株主/投資家:IRポリシーの制定
IR活動において、株主・投資家の方々の信頼と共感を得られる企業を目指し、「IRポリシー」を制定・公開して、公平な情報開示やコミュニケーションの充実を図っています。
③ 地域社会:反社会的勢力対応
「内部統制システム構築の基本方針」および「三越伊勢丹グループ調達方針」において反社会的勢力との関係遮断、不当要求の拒絶、被害の防止を掲げています。
④ お取組先:公正取引を推進するための体制構築と運用
「三越伊勢丹グループ反贈賄ポリシー」および、「公正取引に関する指針」を定め、公正かつ自由な競争を堅持し、広く社会に貢献し続ける企業であるための体制構築と運用を推進しています。
⑤ 従業員:内部通報窓口の設置と運営
グループ内で不当行為が発生した場合にその事実を速やかに認識し改善するために、「グループホットライン」を設置しています。通報者保護の観点から社外専門会社・弁護士事務所が通報を受ける体制を整えており、雇用元を問わずグループ内で働く全員が利用でき、また、匿名でも受け付け調査することとしています。
健全な企業体質のための不当要求防止責任者講習実施の様子
三越伊勢丹グループでは、商品・サービスの表示や広告において、景品表示法をはじめ、薬機法、家庭用品品質表示法、食品表示法、JAS法、計量法などの法令を遵守し、適正で誤認を招かない表現・表示に努めています。
具体的には、社内ルール・マニュアルに則った運用の徹底により、「お客さまに正しい正確な表示(情報)をご提供すること=法令遵守」の強化・徹底に努めています。
また、お客さまの健康や安全・安心に直結するアレルギーに係る表記やアルコールの販売などについても正確でわかりやすい表示・情報発信に努めることで、お客さまに対する責任を果たしていきます。これらについて、「品質管理」と「適正な表示」に両輪で取り組むことが重要であり、それぞれマニュアル・基準を整備し、強化・徹底しています。
具体的な取り組みについてはこちらのページで紹介しております。
コンプライアンス・ガイドブックについて
当社グループでは、新入社員、新任管理職などへの各種研修にコンプライアンスの内容を組み込んでいます。また、全従業員が遵守すべき法令や社会規範を分かりやすくまとめた冊子「コンプライアンス・ガイドブック」を社内イントラに掲示しています。
【主な記載内容】
三越伊勢丹グループは、コンプライアンスの徹底のために、反贈賄への取り組みを宣言し、賄賂その他の不正な手段により得られた利益は認めません。
本ポリシーにおいて、日本国内外を問わず、公務員や民間の役職員に対して、不正な利益を得る目的で、金品・供応・便宜その他の利益の供与等を行わないことを定めます。
三越伊勢丹グループは、日本における刑法・不正競争防止法のほか、米国連邦海外腐敗行為防止法(US FCPA)や英国贈収賄法(UK Bribery Act 2010)をはじめとする国内外の贈収賄規制強化の流れに鑑み、国内外の公務員及びこれに準ずる立場の者に対する不正な利益供与を広く禁止します。
株式会社三越伊勢丹ホールディングス
取締役代表執行役社長CEO 細谷 敏幸
2021年6月25日
私たち三越伊勢丹グループ及びそこに勤務する者は、当グループ会社が多くのお取組先との関係で取引上優越した地位に立つとの認識を正しく持ち、また、お客さまが私たちの提供する情報を信頼して商品等の購入取引を行っていることに責任を持たなければなりません。
私たちは、かかる理解に立ち、当グループが公正かつ自由な競争を堅持し、広く社会に貢献し続ける公正な存在であるために、以下に掲げる「公正取引に関する基本指針」および「公正取引遵守に関する11原則」を遵守します。
公正かつ透明性ある取引の実施
商品・サービスに関する適切な情報の提供
法令・社会倫理規範の遵守
1 不当な返品の禁止
購入した商品に瑕疵がある場合、注文外の商品である場合、商品の購入に先立ち返品の条件についてお取組先と合意ができている場合などを除き、お取組先から購入した商品の返品をいたしません。
2 不当な値引きの禁止
商品に瑕疵がある場合、注文外の商品である場合などを除き、商品を購入した後にお取組先に仕入代金を値引きさせることはいたしません。
3 プライベートブランド(PB)商品等の受領拒否の禁止
プライベートブランド(PB)商品や製造委託商品など、特別の規格、意匠、型式等を指示してお取組先に発注した商品については、商品に瑕疵がある場合、注文した商品と異なる場合などを除き、受領拒否はいたしません。
4 押し付け販売の禁止
仕入部門や売場で商品仕入れに関わる者や用度品等の購入に関わる者がお取組先に自社の商品の購入を勧めるなど、お取組先が希望しないにもかかわらずお取組先に対して自社の指定する商品を購入させたり、サービスを利用させる行為はいたしません。
5 不当な派遣販売員の要請・使用の禁止
お取組先に対して販売員の派遣を要請する場合には、事前に綿密な説明と十分な話し合いを行います。
予めお取組先の同意を得ないで派遣させたり、また、当該お取組先が納入する商品の販売業務以外に従事させるなど、お取組先の従業員等を不当に使用する行為はいたしません。
6 不当な協賛金等の要請の禁止
お取組先に対して協賛金の要請を行う場合には、所定の提案書に基づき、金額、使途、算出根拠等について事前に綿密な説明と十分な話し合いを行います。
お取組先の利益に直接関係のない協賛金や、合理的な範囲を超える過大な協賛金は要求いたしません。
協賛金以外にも、お取組先に対して、本来お取組先が負担する必要のない金銭などの経済的な利益を要求することはいたしません。
7 不利益な取扱いの禁止
お取組先が、本原則に定めるような当グループ会社からの不当な要求に応じないことを理由に、あるいは、当グループ会社が不当な行為を行った事実を公正取引委員会等の行政機関に通知したことを理由に、当該お取組先との取引を停止したり、支払いを遅延させるなどの不利益な取扱いをすることはいたしません。
8 その他不当な取引条件の禁止
お取組先にとって著しく不利益となるような条件で取引を行ったり、一方的に取引条件を変更することはいたしません。
9 不当な景品提供の禁止
お客さまを誘引するための手段として、法令上の最高額及び総額の規定を超える過大な景品類は提供いたしません。
10 適正な情報の提供・不当表示の禁止
お客さまに的確な判断をしていただけるように、商品・サービスの内容に関して適正な情報提供を行います。
お客さまを誘引するための手段として、お客さまを誤認させる表示は行いません。
11 不当な取引制限の禁止
競合他社との間で、商品・サービスの価格、数量、お取組先や受注事業者などを取り決めることにより、本来行われるべき競争を制限するようなことはいたしません。