省エネLED
2011年より百貨店店舗の天井照明を全てLED化することを目標として、2022年度までに約91億円を投資し約53万台の照明器具をLEDに交換しました。蛍光ランプ、HIDランプ(水銀灯などの放電管)、および一部残存していたハロゲンランプをLEDに交換する工事を実施し、2019年度までに当社グループの店舗の天井照明LED化が95%を超えました。2020年度以降は、店舗の後方照明LED化を進めています。
LED化を進め、電力削減による温室効果ガス排出量削減の概算は、累計40,289t-CO2となっています。
伊勢丹新宿本店では、フロア空調の使用エネルギー(電力およびガス)年間使用量を導入前と比較して50%削減することを目指して、AIスマート空調の導入に取り組んでいます。
AIがフロアの混雑状況、時間帯のデータを蓄積・分析し、それぞれのお買場(売場)に適した空調環境を提供していきます。伊勢丹新宿本店での効果検証を終えた後、店舗を順次拡大し、温室効果ガス排出量の削減を進める予定です。
伊勢丹新宿本店、三越銀座店では、太陽光発電による「創エネ」への取り組みを実施しています。
2023年2月に三越伊勢丹物流センター(埼玉県所沢市)の屋上を利用し、新たに太陽光パネルを設置しました。物流センターで使用する年間電力の1/4を発電予定で、約230t-CO2の温室効果ガス排出量の削減を見込んでいます。
これらの施策を通じて、2022年度は148,270kWhを発電し、店舗・事業所内で使用しました。
伊勢丹新宿本店、三越日本橋本店、三越銀座店は、2016年3月に「CASBEE不動産評価認証」で最高位のSランクを取得し、その後も認証を更新取得しています。2021年度には伊勢丹浦和店、新潟伊勢丹((株)新潟三越伊勢丹)、2022年度には仙台三越、静岡伊勢丹も認証取得しSランクの評価をいただきました。
「CASBEE不動産評価認証」の評価項目は、建物の環境品質や環境負荷低減などからなり、「耐震化、維持管理、省エネ対策、周辺環境への配慮に積極的に取り組んでいること、築年数が経過しても良好なメンテナンスと企業としての環境配慮により高い環境性能を維持していること」が評価されました。また、CASBEE認証は5年ごとの更新制となっており、有効期限内に登録更新を行っています。
(株)静岡伊勢丹が運営するコリドーフジは、建て替え、リニューアルオープンに伴い、お客さまに快適な空間を提供しながら温室効果ガス排出量削減を実現しています。複層ガラスの採用により断熱性の向上、LED照明の設置のほか、自然通風や採光による空調運転負荷軽減に取り組んでいます。
伊勢丹新宿本店、三越日本橋本店、三越銀座店の屋上では、緑化工事を進め、温室効果ガス排出量の削減に取り組んでいます。日射を遮断し、コンクリートの蓄熱を防ぐことにより建物最上階の空調負荷が低減され、建物の省エネを実現でき、地球温暖化対策の一環として注力しています。
特に、①表面の温度上昇の抑制効果 ②省エネ効果 ③空気の清浄・ヒーリング効果のほか、周辺緑地をエコロジカルネットワークでつなぐ効果があり、生物多様性の保全にも貢献しつつ、都心の商業施設にある憩いの場として、お客さまに活用されています。
また、伊勢丹新宿本店「アイ・ガーデン」、三越日本橋本店「日本橋庭園」、三越銀座店「銀座テラス」は(公財)都市緑化機構のSEGES(シージェス)「都市のオアシス」に認定されています。
2010年にオープンした三越銀座店屋上の「銀座テラス」の一角には、野菜を育てている「テラスファーム」があります。オープン当初より、都会の子どもたちに食べものをつくることの大切さや自然との共生を感じてもらうことを目的として、子どもたちに向けた農業体験の課題授業を地域とともに実施しています。体験内容としては、5月にはサツマイモの苗植えや落花生の種まき、ハーブの収穫などを行い、秋に収穫を行います。
2021年度も地元小学校の4年生の児童を迎え、10月にサツマイモと落花生の収穫で賑わいました。
2022年10月、(公財)都市緑化機構が主催する「SEGES都市のオアシスガーデンツアー2022」が開催され、三越銀座店の「銀座テラス」が視察コースの一つになりました。
「街なかでの緑の楽しみ方を伝える」をコンセプトとした今回のツアーには15名が参加しました。
当日は晴天に恵まれ、参加者の方々は集合場所の日比谷公園のセミナーハウスで座学をし、銀座の街を散策しながら銀座テラスへ移動。銀座テラスでは、緑地管理スタッフから季節の花々や管理の注意点、またテラスファームへご案内し、ハーブや収穫間近の落花生やサツマイモをご覧いただき、都会の中の緑を楽しむひと時となりました。
三越日本橋本店、三越銀座店、岩田屋三越では、屋上でミツバチを育て、採蜜したハチミツを販売・活用してきました。
2019年、新宿区障害者福祉事業所等ネットワークが、障がい者の就労機会の創出と地域の方々との交流を目指し「しんじゅQualityみつばちプロジェクト©」を立ち上げ、伊勢丹新宿本店はこのプロジェクトに賛同し参画しました。
2021年3月、「しんじゅQualityみつばちプロジェクト©×ISETAN」<MIEL ISETAN SHINJUKU>をスタートさせ、当社グループオフィスビルの屋上を使った都市養蜂を行い、同年9月に新宿産のハチミツを使った商品を伊勢丹新宿本店で販売しました。さらに、2022年5月から、ミツバチとひとを守る緑のカーテンとして架台に吊るした「サツマイモ」の栽培をスタート。新宿産の総菜やスイーツなどに加工して販売しました。
2015年に、フロン排出抑制法が全面施行され、第一種特定製品(業務用冷凍・冷蔵・空調機器)の所有者・管理者に、使用中の機器を整備、点検、記録すること、法人単位で一定量を超えたフロン漏えいがあった場合は国に報告することが義務付けられました。
2023年度は4,425t-CO2の排出量となりました。
三越伊勢丹グループでは以下を実施しています。
(1)使用機器の把握と台帳作成
(2)3ヶ月に1回以上の簡易点検と定期点検の実施、記録・保管
(3)フロン漏えいの場合、修繕、充填、証明書の保管
(4)保有量、漏えい量の集計と報告
(5)機器廃棄の際のフロン類の回収