写真①婦人雑貨子供MD統括部 大仁田真悟さん
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2018年4月、三越伊勢丹グループでは、グループの存在意義やめざす姿を整理し「私たちの考え方」を策定しました。これは、三越伊勢丹グループで働く「私たち」が常に持っていたい意識、日々立ち戻る行動指針であり、どのように変化すべきかを示しています。
2019年度は、経営計画の実効性やスピードを上げ、「人と時代をつなぐ三越伊勢丹グループ」を体現するため、各部門計画のPDCAと一体化。チーフオフィサー(経営層)による進捗確認も行い、未来につながる新しいビジネスモデルの創出や、お客さまをはじめとするステークホルダーとの新しい関係構築を進めました。
「私たちの考え方」を通じた、価値創造へ挑戦し続ける風土を波及・定着させるため、三越伊勢丹グループの役員や管理職など約250名が一堂に会し、2018年度の推進活動の成果を共有しました。
変化を起こし、成果をあげた部門や所属の代表者が、「私たちの考え方」を活用し、部門計画のスピードと実効性をいかに向上させたのか、その具体的事例についてパネルディスカッションを行いました。
その具体的事例として
①組織のトップが「変化」に対応し迅速に決断していくこと
②ビジョンを作ってメンバーに浸透させること、そのための情報共有の重要性
③変化を楽しみ、メンバーの自主性を尊重し、さらに結果を出すことでモチベーションアップにつなげる取り組み
等について、挙げられました。
また、初の取り組みとして、社内ソーシャルメディア(SNS)を活用して登壇者への質問を受け付け、会議参加者は対話を通しても「変化せよ」と共有することが出来ました。
①三越伊勢丹グループの朝活・夜活「SNACK」
くわしくは こちら
2015年下期より、働き方改革により創出された時間を利用し、主体的に学びたい従業員のために、さまざまな学びの場を提供する取り組みです。
2019年度は社外にも範囲を拡大し、社内外のコミュニケーション醸成や、そこから得られる発想をもとに、新たな価値創造につながるきっかけづくりのため、 「SNACK」の取り組みを派生させた 「SNACK+(プラス)」も実施しました。
また2020年度は「SNACK+(プラス)ONLINE」としてテレビ会議を活用した社内外のメンバーとのワークショップ形式によるディスカッションなどを開催しています。
②各部門・所属での取り組み例
会社として体系的に企画している場の提供以外にも、従業員自らがそれぞれの所属において発案者となり、部門ごとや部門を超えた勉強会などが自発的に開催され、参加者募集や実施の内容や感想も社内SNSで共有されています。
(株)三越伊勢丹 婦人雑貨子供MD統括部では、(株)博報堂講師による『“心をつかむ”企画の作り方』セミナーを企画、遠隔地からも聴講できるようライブ配信を使い、計60名が参加しました。
■Voice - 社員の声 -
ブランディングのプロによる研修を通じて、自分たちの強みを認識して人に伝えるために、どのように思考を広げていくか、を目的として勉強会を企画しました。参加者からは、『別のフィールドの話だが業務に活かせる』『中長期的に顧客固定化につながる投資の重要性に気づいた』など様々な感想が出ました。今後も外部の知見を活用し、お客さまへの価値提供の担い手である営業部門のメンバーが気づきやマインドチェンジを起こせるような、学びの機会を創出していきます。
①【オフライン】従業員同士の勉強会
各自が持っているナレッジを連載形式で、相互に発信・共有しディスカッションする勉強会を通じ、立場を超えた相互教育や人材育成の場と位置付けると共に、従業員同士が業務の所属を超えて交流することにより、風土改革にもつなげています。
また開催の様子は社内で誰もが閲覧できるよう公開されており、他の所属からも多くの反響をいただいています。
■Voice - 社員の声(講師) -
今回のプログラムは当初、現場から後方部門へと異動してきた若手社員の教育を目的として始まりましたが、その様子を社内SNSに公開したところ、他部門からの反響が大きく、自部門の業務内容の周知に加え、三越伊勢丹のCRMの考え方の浸透にも繋がっていると感じました。
今後も自分たちの業務やナレッジを誰もが理解できる言葉で伝え、部門を超えて共有することで、一人一人の能力の底上げとともに、より開かれた社内風土の構築にも繋げていきたいと思います。
■Voice - 社員の声(受講者) -
さまざまな業務が混在する百貨店のスタッフ部門では、以前から一人一人が持っている各自のスキルを体系立てて学ぶ機会がないことに課題を感じていました。業務、世代、立場を超えて交わる機会はなかなかない中で、この勉強会を通じ普段の業務では生まれ得ないアイデアに刺激をもらっています。
個人のスキルアップと共に、部門内外との交流が増え、より働きやすい環境になっていると感じています。
②【オンライン】社内SNSの活用
(株)三越伊勢丹プロパティ・デザイン 商業施設事業部では、「私たちの考え方」のメッセージを「データが自分をつくる=定量化する」「時代より先に変わろう=最新を知る」「他者が私を新しくする=比較する」と具体化し、事業部の行動指針としました。具体的には、商業施設事業にかかわる業界内外の新しい動きを個々が積極的に収集、社内SNSで共有・議論することで、世の中や競合の変化をより早く的確にとらえ、一人ひとりの意識改革や事業施策への活用に繋げています。現在では、部門内だけでなく、全社のマネジメント層必読の情報源となり、階層・部門を超えた闊達な意見交換はグループ全体への組織文化へと広がりつつあります。
①役員と従業員との座談会の開催
従業員一人ひとりが「私たちの考え方」を理解・納得し、「人と時代をつなぐ」人材となるため、役員と従業員の少人数での対話の場を定期的に設けています。対話を通じ、役員は従業員の想いを聞き、従業員は直接役員からのアドバイスを受けられ、会社の方向性を理解することや、所属の垣根を超えたコミュニケーションの創出にもつながっています。参加者からは「経営トップと直接話すことで、 “変化”に向けた意識のブラッシュアップにつながった」「普段接点の無い自所属以外の仲間との対話から、改めて学びや気づきを多く得ることができた」などの声があがっています。
2019年度は関連会社や全国の地域事業会社も含め計17回の座談会を開催、約150名の従業員が参加しました。
②立場や所属を超えた交流会の開催
2020年1月には6名の役員と座談会に参加した従業員が一斉に集い、カジュアルな対話を通じ交流を図る場として「HENKA CHAT」を開催しました。
参加者から投げかけられる率直な疑問や思いと役員からの熱い回答が交差し、大いに盛り上がる交流会となりました。
また領域の異なる参加者同士の交流もお互いに大きな刺激となり、「社内にこんなにも熱い思いやモチベーションを持っている人たちが大勢いることがとても刺激になった」「役員の皆さんからのクリティカルなキーワードがとても胸に刺さった」「それぞれが違ったアプローチで変化に還元しようとしていることが大変興味深かった」といった声が上がりました。
各社・各所属内で、課題や実現したいこと等をテーマに、ディスカッションの機会を設けています。
①(株)エムアイカード
「会社の風通しをより良くするためには」「これからの向かうべき方向を考えよう」等のテーマで、役員や管理職を招き、所属や年次の垣根を超えた座談会を計6回実施、約90名が参加しました。
参加者からは、「普段話したことのないメンバーと話ができること、また普段話したことのある人でも、テーマに基づいて話すと意外な一面が見られることが楽しかった」「(自部署について)他部署からどのような役割が求められているのか、現状どのように見えているのかを知ることができ、今後に活かしていきたい」といった感想が出ています。
②ジェイアール京都伊勢丹
異なる領域の仲間と対話をすることで、所属を超えた共有の促進を図り、新しいアイデアが生まれる場、課題発見の場とすることを目的として、店長と従業員の座談会を18年度より計41回実施、人数はのべ320人以上が参加しています。
開始当初より、営業部間の横連携が強化され始め、価値創造のスピードが上がっています。さらに、「私たちの考え方」を自分事化し、自ら課題の抽出および解決に向けてのアクションを考えるように変化しています。
(株)三越伊勢丹では、管理職が所属のメンバーと定期的に1対1で対話を行うことが、メンバーの自律的な行動や生産性の向上につながると捉え、「1on1ミーティング(※)」の実施を推奨しています。取り組みの効果を高めるため、2019年7月以降、マネジメント層を対象に、1on1実施の目的や意義を正しく理解し、メンバーの話を聞くスキルを身に着けるセミナーを開催、10月末までに㈱三越伊勢丹、㈱三越伊勢丹ホールディンスのマネジメント層の約5割が参加しました。
また2020年度からは働き方改革とも連動させた「日本一働きやすい会社」を目標に掲げ、セミナーの受講対象者をマネジメント職まで拡大。”他者を尊重する風土醸成”の一環として、より多くの従業員が対等な関係において、個々の価値観を共有し、関係性を深め、刺激しあえる関係づくりをめざしています。
※「1on1ミーティング」:上司と部下が1対1で定期的に行う対話のこと。コーチング、ティーチング、フィードバックなどを効果的に組み合わせ、部下の成長を支援することを目的としています。管理職が所属メンバーの考えや状況を理解したうえで、適切な権限委譲や助言を行うことができるようになること、所属メンバーが対話を通し、自らの視点や業務の進め方を見直すことで成果発揮の精度やスピードが高まることを狙いとしています。
風土改革や意識改革などにつながる好事例を映像化し、従業員に具体的なイメージを伝え、共感から一人ひとりのアクションへと促しています。