私たちは、時代が変化する中、自ら変革することで、幾度の困難を乗り越えてきました。三越の歴史は、お客さま第一、変革への挑戦の積み重ねであり、「お客さまのために」という、創業より変わることのない“まごころの精神”が、その礎となっています。また、伊勢丹も創業以来、「お客さま第一」の理念にもとづいた「創意工夫」によって、新しい試みに挑戦し、様々な時代背景のなか、衣食住すべてにわたって伊勢丹らしさを提案し続けてきました。厳しい環境を受け止めながら、社会や顧客ニーズの変化を先取りして、お客さまに豊かさを届け続ける、それが私たち三越伊勢丹グループのDNAです。
三越の創業者である三井高利は、それまでの商習慣に捉われず、社会の変化によるあたらしい顧客層の誕生にいち早く着目し、現在ではあたりまえの商売の方法の数々を生み出しました。経済学者のP.F.ドラッカーは、著書の中で、三井高利が世界で初めてマーケティングを発明したと記しています。
三越の前身である越後屋創業当時、大店(おおだな)といわれる呉服店の販売方法は、得意先を回り注文をとる「見世物商い」と商品を直接持ち込む「座敷売り」で、裕福な商人や大名、武士の自宅に赴いて商売をしていました。支払いは年2回、盆と暮れ(8月・12月)と決まっていて、貸倒れや金利がかさむリスクを商品価格に上乗せして販売していました。そのため、人によって販売する価格が異なり、すべての人が平等に買物ができる環境にはありませんでした。
高利は、この制度を廃止し、店頭販売・現金決済・正札販売を基本とした「店前現銀掛値なし」を打ち出すとともに「小裂如何程にても売ります」を掲げ、反物単位でしか購入できなかった商習慣を改め、切り売りを可能にすることで、欲しい人が欲しい量だけ購入できる仕組みを作り上げました。
江戸時代において、町人という潜在顧客の関心ごとに対して革新的な手法で挑んだことで、顧客層の拡大を図り、現在ではあたりまえの、「誰もが同じ価格で買物ができる店」が世界で初めて誕生しました。三越伊勢丹グループのサステナビリティは、ここから始まったのです。
参考:P.F.ドラッカー著 上田惇生訳 『マネジメント 課題、責任、実践 上』ダイヤモンド社
1904(明治37)年、三越は、株式会社設立に際し、お取組先への案内状で日本初の百貨店の始まりを宣言します。翌1905(明治38)年1月2日には、全国の主要新聞紙上で「デパートメントストア宣言」を発表、すべてのステークホルダーに対して、百貨店誕生とともに、文化の振興を宣言し、ここから日本における百貨店文化の創造が始まったのです。1914(大正3)年には「スエズ運河以東最大の建築」と称される本店新館が完成し、現在の百貨店がもつ施設や設備を完成させていきます。建物の入口には、三越のシンボルとなるライオン像が据えられ、店内には日本初のエスカレーターをはじめ、エレベーターなどの最新設備とともに、休憩室や食堂、屋上庭園などを充実させ、西洋の文化に触れることができる東京の新名所として大きな話題となりました。また商品面でも、呉服だけではなく百貨全般を取り揃え、あらたに食品部・茶部・鰹節部・花部を設置するなど、近代百貨店としての形態を完成させていきます。
デパートメントストア宣言と同年には初の文化催事となる「光琳遺品展覧会」を開催します。「光琳図案会」を併催することにより、「見る楽しさと買う楽しさ」を両立させた、世界に類を見ないあたらしいビジネスモデルを確立させていきます。さらに、森鷗外を中心とした知識人による流行研究会「流行会」を発足させ、歴史に埋もれた文化を復刻し、商品に反映させるとともに、1907(明治40)年には新美術部を設立し、作家には作品を発表する場を、お客さまには気軽に美術に触れる機会を創出します。誰もが文化や芸術に触れ、見る楽しみと買う楽しみを両立させた、日本独自の百貨店はこうして生まれたのです。
当時から続く文化振興の取り組みは、現在、物産展や美術展の開催にとどまらず、グループの拠点を中心とした地域産業の活性化やあらたな商品の開発など、より地域に根差した形に進化しています。
東京を中心とする南関東一帯に、マグニチュード7.9の大地震が発生、家屋の倒壊とその後の火災によって、約30万戸が焼失、死者は10万人以上に及びました。当時の東京市において、全体の44%にあたる約3,465ヘクタールが焼失し、商業の中心地であった、日本橋・京橋・神田の3区は全滅したといわれています。江戸時代以来の市街地が焦土と化したことで、周辺地域へ移住する住民も多かったといいます。この大震災は、当時の社会と経済に深刻な打撃を与え、第1次世界大戦後の不況に追い打ちをかけるとともに、昭和初頭に至るまで影響を及ぼしました。
三越伊勢丹グループにおいても、地震後に発生した火災によって、三越日本橋本店および、伊勢丹新宿本店の前身である、伊勢丹神田店が焼失する大きな被害を受けました。伊勢丹は神田店のみで当時の資本金の約2倍を超える被害を被ったと記録されています。
このような状況にありながら、三越の重役会では、企業の存続を揺るがしかねない重要な決定を下します。「いかなる事情があるにせよ、当社に持ち込まれた商品に対して、商談が成立している・していないを問わず、申し出があった場合は全額支払いを行う。そのために店が再建できなくても致し方ない」。本店が壊滅した非常事態の下で行われたこの措置は、お取組先はもちろん全従業員に、改めて、ステークホルダーとの共存共栄による経営の在り方を再認識させました。これに刺激を受けた従業員一同は、自ら給料減額を申し入れ、それによって苦境に立った企業を救ったといいます。また、当時、大阪に拠点のあった三越は、あらゆる交通手段を使って生活に必要な物資を東京に運び、被災して日常品にも事欠くお客さまの生活安定のために、商品を供給し続けます。ステークホルダーの皆さまのお困りごとを、想像を超える手段で解決したことが、その後の企業の存続につながっているのです。
1950年代中頃、伊勢丹の店頭では、中学生ぐらいの少女たちが、子供服売場と婦人服売場を行ったり来たりしながら、自分に合う洋服を探している姿が見受けられました。当時の日本には子供服と婦人服しかなく、13~17歳の少女たちは、自分のサイズに合うものを苦労して探すか、母親の手づくりの洋服を着るしかありませんでした。アメリカではこの年代がティーンエイジャーと呼ばれ、ファッションのひとつのカテゴリーとして確立されていることに着目した伊勢丹は、子供服の延長や婦人服の小型版ではない、あたらしい既製服の開発が必要であることを確信します。この年代のライフスタイルと特有の体型を徹底的に研究し、ティーンにふさわしいデザインや、サイズを開発しながら、1956(昭和31)年の夏休みに合わせて、ティーンエイジャー向けのテスト販売を開始します。その後、洋服にとどまらず、アクセサリーや帽子、バッグ、ハンカチなどの雑貨に拡大し、ティーンエイジャーショップは「ファッションの伊勢丹」の基礎となっていきます。
一方、婦人服はイージーオーダーが全盛期を迎えていましたが、パターンが限られているため、顧客の注文に応えるには限界があり、「ぴったりと体に合わない」「出来上がるまで試着できないため、思っていたのと感じが違う」などといった声が上がっていました。このことから、伊勢丹は欧米で主流となりつつあった、オーダーのフィット感とイージーオーダーの簡易性を併せ持つ、既製服の時代が日本にもやってくることを予感し、「あたらしい既製服」を研究する部門として1957(昭和32)年、服飾研究室を新設します。研究を進めるにつれ、あたらしい既製服には、日本人の体型に合ったサイズの開発とサイズ体系の確立が重要であることを確信し、イージーオーダーの採寸データをはじめとした資料を分析することで、日本人の体型にフィットするサイズをパターン化していきます。アパレルメーカーや百貨店各社が独自にサイズを開発し、規格が統一されない課題がありましたが、髙島屋、西武百貨店と合意し、1963(昭和38)年、サイズ統一に関する共同記者会見を行います。その後3社によるサイズ体系統一が「百貨店統一サイズ」になっていったのです。さらに既製服を浸透させるために、サイズ開発に力を入れ、1968(昭和43)年には大きなサイズのレディークローバーショップを、1969(昭和44)年には小さなサイズのストロベリーショップを開設します。どちらも独自の工夫によるサイズ展開を行うことで、既製服を通じて、誰もが自由にファッションを楽しめる土台を創ったのです。
今日では、ファッションは洋服という枠を超え、より自由に、生活を楽しむためのものとして進化を続けています。三越伊勢丹グループは、ファッションの力を通じて、誰もが自分自身の個性を愛し、多様な個性を尊重できる世の中を、すべてのステークホルダーの皆さまとともに創っていきたいと考えます。
近年、私たちの生活を取り巻く環境は大きく変化し、先々の見通しがますます困難になっています。特に地球温暖化の進行は、日本国内における台風や豪雨のみならず、世界各地に異常気象による干ばつや洪水をもたらし、自然災害の頻発・激甚化を招いています。さらに新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大が、あらゆる経済活動に影響を及ぼし、社会を一変させました。感染症は未だ収束の目処が立たず、私たちは新たなルールや生活様式の受け入れを余儀なくされています。
こうしたなかで、事業活動を通じた環境問題への対応や社会課題の解決に向けた努力が、企業として必須の存続条件となっています。
当社グループが事業を展開する百貨店業界を概観すると、国内人口の減少と少子高齢化、所得と消費の二極化が同時進行することで、市場の量的、質的な変化が著しくなっています。何より、お客さまの暮らし方と価値観が大きく変わり、購買行動の変化が顕著になってきました。多様性の時代、マスマーケティングは通用しない、といわれて久しいですが、お客さまお一人お一人の要望に真に寄り添わなければならない時代が、ついにやってきたと感じています。今、百貨店に求められているのは、より進化した、新たなビジネスモデルへの転換です。
そうした転換による方向性の一つとして、今年発表した「中期経営計画」のフレームで「“高感度上質”戦略」を重点戦略に掲げています。「上質」というと富裕層のお客さましか相手にしないのではないか、と思われるかもしれませんが、決してそうではありません。社会環境や価値観が変化しても、「豊かな暮らし」「より良い暮らし」をしたい、というお客さまの思いは変わりません。お一人お一人の豊かな暮らしのご要望に対応できるように「個のマーケティング」に考え方をシフトし、「上質な」マーケットのニーズにしっかりとお応えしていくことで、より多くのお客さまに憧れを持っていただく。「中期経営計画」のフレームで「“個客とつながる”CRM戦略」を重点戦略としたのはそのためです。もう一つの重点戦略に「“連邦”戦略」を掲げていますが、これは、ご要望にお応えするにはグループの総力をあげて努力する必要があるからです。将来的にお客さまの生活の中にもっと深く当社が関わっていくために、これらはとても重要なことだと考えています。
また、百貨店業界ではデジタル化の流れが加速し、コロナ禍がその動きをさらに促進しています。当社グループは、2020年度にECサイト「三越伊勢丹オンラインストア」を大幅にリニューアルし、店頭商品をお客さまがご自宅からオンラインでお買い求めいただける新サービス「三越伊勢丹リモートショッピングアプリ」の提供など、外出しなくても快適なショッピングを可能にしました。当社グループは、引き続きリアル店舗とオンラインの融合による購買体験価値の拡大を図り、事業環境の変化に対応した新たなビジネスモデルを確立していきます。
当社グループの原点には、三越、伊勢丹、岩田屋、丸井今井の4つののれんがそれぞれの長い歴史を通して築き上げ、社会価値と経済価値の両立をもたらしてきた企業文化があります。それは、「まごころの精神」「共存共栄」「あたらしさへの挑戦」といった言葉とともに私たちが受け継ぎ、未来へと継承していく不変の根本精神と言えるものです。
三越は1673年の越後屋創業時、「店前現銀掛値なし」を打ち出し、世界で初めて「誰もが同じ価格で買い物できる店」を創り上げました。そこにある根本精神は「自他ともに利あり」という経営哲学として受け継がれ、お客さまの暮らしを豊かにすることにより持続的な企業の成長を実現する当社グループのミッションにつながっています。
1904年には、「デパートメントストア宣言」を発信し、どなたにも心地よいおもてなしで数多くの商品が提案されている日本独自の百貨店モデルを世に示しました。「デパートメントストア宣言」は、お客さまのお買物のスタイルだけでなく、暮らしそのものを変えることにつながった、革新的なイノベーションだったのです。同じ年に「光琳遺品展覧会」を開催し、お客さまに「見る楽しみ」と「買う楽しみ」をともに提供することで、文化の振興を図りました。後年、伊勢丹も「創意と工夫」「感性と科学」を標榜し、三越と共通する根本精神を確立させ、お客さまの関心事を革新的に提案するイノベーションに取り組んでいます。
1923年には、関東大震災が東京を襲いました。三越と伊勢丹は、それぞれ被災者の生活安定のために物資を調達・供給し、社会の復興に寄与しました。また、入手した現金をお取組先への支払いに優先的に充て、事業の継続を図りながら、すべてのステークホルダーとの共存共栄を目指しました。
こうした精神は、当社グループの百貨店を中心に取り組んでいる、「think good」にも受け継がれています。「think good」を合言葉に、当社グループのサステナビリティ基本方針にもとづき、①生態系を含む地球環境や、関わる人、社会に配慮した品揃え②4Rの推進 ③文化・技術・感性の発信 の3つを柱とした本業を通じたサステナビリティ活動を推進しています。2021年4月にスタートしたばかりですが、案件数は累計で480件を超え、社内外から非常に注目されています。
このように私たちは、事業活動を通じて利益を上げるだけでなく、様々な社会課題の解決を図り、ステークホルダーの皆さまとともに豊かさを分かち合ってきました。その考え方こそ、「CSV(共有価値の創造)」であり、当社グループの存在意義に他なりません。
私たちは、ここに述べた経営哲学と企業姿勢、イノベーションを創出する価値観を保持し、次の時代に向けて歩み続けていきます。そして「日本から世界に発信するナンバーワンかつオンリーワンの企業」として、サステナビリティを重視した経営をさらに推し進めていく考えです。
私たちの未来を展望すると、働き方や生活における価値観の変化、デジタル化やリモート環境の浸透などによって、地方への回帰や、人それぞれの価値観に合った住みよい街への移住といった選択肢が増えてくると考えられます。そして、これまでの都市一極集中型ではなく、都市とローカル経済圏がつながりを保ちながら発展し、新たな「こころの豊かさ」を求める生活スタイルに変化していくのではないでしょうか。
そうした未来における百貨店の存在は、原点に立ち返ったものとなるでしょう。すなわち、お客さまお一人お一人にまごころをもって向き合い、新しい、豊かな暮らしを提案し、お困りごとを解決することです。それが三越伊勢丹グループの存在意義であり、使命です。店舗のかたちは今とは違うものになっているかもしれません。それでも百貨店は「街の求心力」となるべく、その街が持つ特色を活かした魅力づくりと回遊性の向上に、地域と一体で取り組んでいきたいと思います。未来の“まちづくり”は、環境に十分配慮がなされ、多種多様な人々が集うコミュニティづくりでなければいけません。そこには三越伊勢丹グループが果たすべき、百貨店の枠を超えた役割があるはずです。
地域と連携した取り組みにより、街の魅力を発信することで中心市街地が活性化され、人々が訪れて楽しむ場が生まれます。地元の民間企業を中心に、行政も巻き込んで、地域の人々に豊かさや居心地の良さを提供できれば、街はにぎわい、人と情報が集まる場に変化していきます。
三越伊勢丹グループの“まちづくり”から生まれるモノ・コトには、安心感や信頼感があり、お客さまの暮らしに豊かさをもたらす。そこに行けば、様々な情報やコミュニティとのつながりが得られる。そこで得られる体験が「すごい!」「楽しい!」「心地いい!」といった感嘆詞をお客さまから引き出す。それが私たちの百貨店としての存在意義なのです。
これからの私たちは、三越、伊勢丹、岩田屋、丸井今井が長い歴史を通して培ってきた「のれん」の価値を最大限に活かしながら、ステークホルダーの皆さまとの信頼関係の上に成り立つ新しい事業をグループ全体で創出し、それを一つずつ積み上げていきます。そして、これまでグループ内の各社が個々に取り組んできたサステナビリティ活動についても、グループ全体の取組みの中心に据え、「中期経営計画」の「グループ“連邦”戦略」と共に推進していきます。
「中期経営計画」では、私たちが長期に目指す姿を「お客さまの暮らしを豊かにする、“特別な”百貨店を中核とした小売グループ」と定めました。この“特別な”という言葉には、感動的な解決と革新的な提案をお届けすることで、世界のお客さまにご来店いただける、ナンバーワンかつオンリーワンの百貨店を目指す意思を込めています。当社グループの従業員には、“特別な”百貨店による未来づくりに臆することなくチャレンジし、サステナブルな社会の実現に貢献するCSVの担い手として、一人一人が成長を遂げていくことを求めます。
ステークホルダーの皆さまにおかれましては、私たちが実現していく豊かな未来にご期待いただきたく存じます。
「三越伊勢丹グループ企業倫理行動基準」は、三越伊勢丹グループで働く一人ひとりが、「私たちの考え方」を実践するための基盤であり、日々の行動の基準となるものです。
2018年11月改訂
関連リンク
私たちの考え方
三越伊勢丹グループは、お客様、従業員、お取組先、地域のコミュニティ等、企業活動を行う上で関わる様々なステークホルダーの人権を尊重します。本方針をグループの全役員・従業員に教育・啓発するとともに、サプライチェーン全体で人権に配慮した事業が行われる様、周知・徹底に努めます。
1. 人権の尊重
私たちは、企業活動に関わる全ての人々の人権、個人の尊厳を尊重します。人権に関わる様々な課題について、私たち一人ひとりが取り組むべき課題として考えます。
2. 法令遵守と公正な雇用
私たちは、人権に関する国際的な規範を支持・尊重し、企業活動に関わる国や地域において適用される国際条約、関係法令等を遵守するとともに、適正な雇用と就業条件を守ります。
3. 不当な労働の禁止
私たちは、人権侵害につながる児童労働や強制労働などの不当な労働のない、個人の自発的な意思に基づく健全な労働を守ります。
4. ハラスメントの禁止
私たちは、個人の人格・尊厳を傷つける精神的、肉体的、性的ハラスメントなどの行為を排除し、思いやりのある言動と健全なコミュニケーションを心がけ、信頼関係を築きます。
5. 多様性の尊重
私たちは、多様な価値観を尊重し、お互いの違いに価値を認めて、個々人が能力を発揮できる職場づくり、働き方の改革に努めます。
6. 差別の禁止
私たちは、多様な個性を尊重し、人種・民族・国籍・信条・宗教・性別・性的指向・出身地・年齢・疾病・障がい・雇用形態等による差別や、個人の尊厳を傷つける行為は行わないことを徹底します。
7. 健康の保持・増進
私たちは、従業員一人ひとりが健康への意識を高め、自らの健康を保持・増進できる環境づくりに努めます。
8. 労働安全衛生の確保
私たちは、職場環境に関する法令・社内ルールを守り、風通しが良く、安全で衛生的な労働環境をつくります。
2018年11月制定
1. 法令遵守・公正取引
事業活動を行うおのおのの国・地域において適用される国際条約、および関連する法令等を遵守し、公正で自由な競争に基づく透明で適切な取引を行います。
2. 品質管理
品質管理体制に基づいて常に商品・サービスの品質向上に努めることで、お客さまの安全・安心を確かなものとします。
商品・サービスの品質・安全性にかかわる必要な情報については迅速・正確に開示します。
3. 持続可能性
全世界で共有されたSDGs(持続可能な開発目標)に適応した社会的課題の解決に積極的にチャレンジすることで、地球環境の持続可能性と事業の成長・企業価値の向上との両立を目指します。
4. 生物多様性対応
生物多様性の豊かな恵みを享受し続けるために、国際条約、および関連する法令等を遵守します。違法な取引や漁獲、採集、伐採の排除など生物多様性に配慮した調達にサプライチェーン全体で取り組めるよう努めます。
5. 環境負荷軽減と汚染防止
サプライチェーンを通じた環境負荷の少ない流通システムの構築に努めます。
気候変動緩和のための温室効果ガスの排出量削減や、汚染防止などの実現に努めます。
6. 廃棄物排出抑制と資源循環
持続可能な循環型社会・省資源社会を目指し、サプライチェーン全体での廃棄物の排出抑制と適正処理、資源循環に努めます。
また、水資源の再利用、排水の適正管理にも努めます。
7. 化学物質の排除
国際条約、および関連する法令等で禁止されている化学物質や原材料を使用した商品は、取扱ません。
8. 人権の尊重・不当労働の禁止
事業活動にかかわるすべての人々の人権・個人の尊厳を尊重します。
児童労働や強制労働などの不当な労働のない、個人の自発的な意思に基づいた労働による商品を調達します。
9. 雇用・労働環境・安全衛生
事業活動にかかわるすべての人々が、適正に雇用され、安全で衛生的な労働環境のもとで製造・流通された商品の調達を図ります。
10. 情報管理(秘密情報、個人情報等)
取引を通じて知り得た秘密情報および個人情報が、第三者に漏洩することのないよう適切な情報管理体制を整え、情報の使用は業務目的の達成のために限定します。
11. 知的財産権等の保護
商標権・意匠権・特許権など知的財産権を保有する権利者の権利を尊重するとともに、第三者の知的財産権を侵害するような商品は取扱いません。
12. 反社会的勢力の排除
反社会的勢力とは、取引を行いません。
2018年5月制定
本調達方針は、2030年に向けて国際社会が一丸となって実現を目指すSDGs(持続可能な開発目標)に積極的に対応する内容となっています。
また、フードロス抑制、生物多様性保全、物流効率化など百貨店だけでは解決が難しい課題の解決にも、本調達方針の考え方を共有しながらサプライチェーン全体で取り組んで参ります。
対象は三越伊勢丹グループおよび当社グループが販売する商品・サービスの調達にかかわるお取組先(国内)です。2018年度、お取組先延べ1万2千社に郵送にてご通知し、お取組先および生産委託先にも遵守をお願いしています。2019年度は、国内グループ各社従業員対象にEラーニングを実施(2020年8月末までに約5,300人が受講)。2021年度は一部お取組先へアンケートを予定しています。今後もより実効性を高める施策を検討してまいります。
三越伊勢丹グループは、お客さまをはじめ、かかわりのあるすべての人々と向きあい、人と地球環境が調和する持続可能な社会の実現に向けて、環境保全活動を社会に対する企業としての責任ととらえ、実行していきます。
2020年度のアンケートでは質問へのご回答のほか、自由回答欄では計9,000件もの貴重なご意見をいただきました。改めて御礼申し上げます。当社グループへのご期待のメッセージのほか、「情報発信のわかりやすさ」へのご要望なども多く頂戴しています。今後もステークホルダーの皆さまのご意見を伺う機会を設け、当社グループのサステナビリティ活動をより認知・共感いただけるよう取り組んでまいります。ひきつづきご協力を、よろしくお願い申し上げます。