Society 社会

地域社会との協創

地域社会との協創

地域活性化

三越伊勢丹グループでは、店舗がある地域だけでなく、商品調達で縁をいただいた地域とも積極的に関わり、行政や企業と共に地域に根差した取り組みを行っています。 既存の方法にとらわれず、百貨店業で培ったノウハウ、斬新なアイデアを活かし、地域社会の発展に貢献している「三越伊勢丹ふるさと納税」と「MOO:D MARK by ISETAN(ムードマーク バイ イセタン)」をご紹介します。

三越伊勢丹ふるさと納税

  • 地域活性化

「三越伊勢丹ふるさと納税」は、当社グループが有する全国のネットワークと百貨店事業で培ってきたマーチャンダイジング力を強みに、バイヤーがこだわって選び抜いた百貨店品質の返礼品の紹介を通して地域の魅力を発信しています。
返礼品として紹介された地域の特産品が、百貨店が取り扱う高品質の商品として幅広い流通に乗り、ふるさと納税以外においても全国のお客さまに楽しんでいただけることを目指しています。
現在までに、319の自治体に参加表明いただき、掲載自治体数は305となりました(2023年11月15日時点)。今後も取り組みを拡大し、お取組先と共創し地域産業の発展に貢献することで、社会的責任を果たしていきます。

■INTERVIEW 【地域社会との協創】地域とのつながりを活かした「三越伊勢丹ふるさと納税」
  • 自治体営業担当者として各地に足を運ぶと、過疎や高齢化により税収の減少に苦しむ自治体や、販路拡大に悩む事業者の方々の声に触れる機会が少なくありません。地域経済の発展になんとか貢献したいとの強い思いを持ち、参画いただけるまで何度も対話を重ねています。
    各地には、地元の方々が気づいていない、しかし地域らしさのある特産品がたくさんあります。百貨店バイヤーの経験で培った感性で、地域特有の強みを見極め、新たな魅力発信につながる取り組みをご提案しています。地域が抱えるさまざまな事情により、取り組みの実現まで数年要するケースもありますが、担当者に寄り添い、地域が抱えている課題は何か、まちを豊かにするビジネスモデルの一端を担えないかを考え抜き、共感をいただきながら取り組みを進めています。
    各自治体の紹介パンフレットには、自治体担当者の顔写真やご当地キャラクターとともに、地域の特長や魅力、生産者や自治体担当者の想いを表現しています。その土地に関わりがなかった人が、興味を持ち訪れるきっかけとなればと思っています。
    取り組みの結果、「三越伊勢丹ふるさと納税などによる税収によって、まちのプロジェクトが実現した」「返礼品として紹介されたことをきっかけに、他のルートでの販売がスタートした」など感謝の言葉もいただいています。
    今後も、地域活性化の実現に向けて、皆さまに喜んでいただける取り組みを目指してまいります。

  • (株)三越伊勢丹 営業本部 オンラインストアグループ デジタル事業運営部 ふるさと納税 牧 真矢 (株)三越伊勢丹
    営業本部
    オンラインストアグループ
    デジタル事業運営部
    ふるさと納税
    牧 真矢
    ※所属は2023年11月時点のものです。

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MOO:D MARK by ISETAN

  • 地域活性化

「MOO:D MARK by ISETAN(ムードマーク バイ イセタン)」は、住所を知らない相手にもSNSやメールなどでギフトを贈ることができるオンラインサービス。地域の食品や優れた工芸品などを当社グループの強みを活かして商品開発支援からPR、販売、それらの成果分析までをお取組先と一緒に取り組んでいます。

■INTERVIEW 【地域社会との協創】ギフトアイテムの開発支援を通した地域活性化
  • 日本全国には、すばらしい特産品や、優れた技術がたくさんあります。店頭はもちろん、実際に手に触れることができないECサイトでのお買物でも、より多くのお客さまの目に留めていただき、商品のすばらしさを知っていただける方法を考え抜き、事業者の方々と開発の方向性について対話を重ねています。自身の好みや感性だけに頼ることなく、日々の商売を通して獲得する消費者のリアルな声や定量的な商品動向をもとに、感性+科学の両側面から商品企画をつくり上げていきます。
    2023年に誕生した「SALAD(サラダ)」は、島根県出雲に工場を持つ、歴史ある国内屈指の紡績メーカーと共に企画した新しいタオルのブランドです。糸屋がつくるタオルの強みを活かし、糸の一歩手前の素材=綿花に着目。「旬と鮮度」「つみたて」というキーワードをコンセプトに、野菜やフルーツからヒントを得た商品開発・コミュニケーションデザインを行った結果、お客さまから大変大きな反響をいただいています。
    このように、国内の優れた技術や地域の魅力を、ギフトアイテムの開発支援を通して多くの方に発信していき、日本各地の産業を盛り上げる一端を担いたいと考えています。

  • (株)三越伊勢丹 営業本部 第1MDグループ ギフトデザイン営業部 企画担当 ムードマーク 青木 健二 (株)三越伊勢丹
    営業本部
    第1MDグループ
    ギフトデザイン営業部
    企画担当
    ムードマーク
    青木 健二
    ※所属は2023年11月時点のものです。

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地域産業のブランド化推進事業〈CLASS GLASS(くらすグラス)〉

  • 山口県山陽小野田市のガラス産業振興と知名度向上を目的として、2021~22年度のプロポーザル案件を(株)日本デザインセンターと共同で受託し、2022年2月に“高い芸術性と暮らしに取り入れやすいスタイル”をコンセプトとした同市のガラス造形作家によるガラスアートブランド〈CLASS GLASS〉を発表いたしました。
    同市は、古くは窯業が盛んな地域で、地域文化の伝承・創造を目的に、市出身の著名なガラス造形作家の故・竹内傳治氏と共に、窯業の一つであるガラスに注目しガラス文化をテーマにしたまちづくりに注力してきました。
    〈CLASS GLASS〉は、百貨店の店舗や、3,500点以上のギフトが揃う伊勢丹のオンラインギフトサイト「ムードマーク バイ イセタン」や「三越伊勢丹ふるさと納税」などの当社グループだけでなく、法人顧客や同市の飲食店向けにもご紹介しています。
    本取り組みでは、当社グループが百貨店事業で培ってきた顧客接点やグループネットワーク等のリソースを活用し、パートナー企業と協業しながら、ブランド設計、デザイン設計、販売計画、販路開拓等の基礎からブランド化に向けて同市とタッグを組み、地域社会と共生するビジネスモデルの構築を目指しています。

  • 地域産業のブランド化推進事業〈CLASS GLASS〉

百貨店各店舗の取り組み

当社グループでは、日本全国に店舗を有する強みを活かし、各地域の企業・団体・自治体などと連携して地域活性化に貢献しています。
百貨店各店舗では、地域の社会課題に、経営だけでなく従業員も主体的に行動できる体制を整備しており、お客さまが商品購入やイベントへの参加という形で協創できる仕組みを整えています。

伊勢丹新宿本店:まちの方々と一丸となって、新宿の魅力を発信

  • 伊勢丹新宿本店:まちの方々と一丸となって、新宿の魅力を発信
  • 2023年、伊勢丹は新宿出店90周年を迎えました。「このまちを、ステージに」をテーマに、新宿のまちの方々と一丸となって、さまざまな取り組みを実施しました。
    10年後の100周年に向けて、このまちと挑戦をしつづけ、人びとの暮らしを豊かにすることを目指します。

■INTERVIEW 【地域社会との協創】まちへの恩返し、貢献への想いを込めた「新宿出店90周年」
松野 裕
  • (株)三越伊勢丹
  • 伊勢丹新宿店 営業計画部 営業推進
  • 松野 裕
    ※所属は2023年11月時点のものです。

2023年秋、神田から新宿に移転して90年を迎えた伊勢丹新宿本店。進化と発展を遂げながら、この地で商売をさせていただいた感謝を込め、「これまで以上に、新宿のまちとともに歩んでいきたい」「新宿のまちを知っている人にも、まだ訪れたことのない人にも、その魅力を伝え、もっと好きになってもらいたい」という想いを乗せて、地域の方々や企業とともに取り組みを実施しました。
多くの人に新宿へ足を運んでもらえる取り組みを、伊勢丹新宿本店がまちの“真ん中”の存在としてつないでいく、という姿勢や考え方にご賛同を得られ、まちの方々と一丸となって本プロジェクトがスタートしました。
今回のメイン企画「新宿90スナップ」。新宿に縁のある企業や店舗の方、著名人、従業員、お客さまの総勢90組に、新宿の好きな場所や思い出の場所を紹介していただきました。その場所で撮影したスナップとストーリーを店内やまちのフラッグをはじめ、メトロの地下通路、アルタや東急歌舞伎町タワーのビジョン、撮影にご協力いただいたお店や施設、学校、公園など、新宿東口エリアの数十ヶ所に掲出しました。

  • 新宿大通りや新宿東口エリアの店舗などに掲出された「新宿90スナップ」
  • 新宿大通りや新宿東口エリアの店舗などに掲出された「新宿90スナップ」
  • 新宿大通りや新宿東口エリアの店舗などに掲出された「新宿90スナップ」
  • 新宿大通りや新宿東口エリアの店舗などに掲出された「新宿90スナップ」
新宿大通りやメトロ地下通路、紀伊国屋書店、東急歌舞伎町タワーなどに掲出された「新宿90スナップ」

参加してくださった方から「あの人にも声をかけたら良いよ」とご紹介をしていただく機会が多数ありました。見返すと、驚くほど多様な90組の“人”と“場所”が出てきます。こんなにも多様性溢れる、魅力的な“人”と“場所”をもつ世界でも特別なまちの“真ん中”にお店があるのだということを実感しました。
また、撮影を機に紀伊國屋書店と三越伊勢丹が、新宿を舞台とした本をおすすめする「本で紡ぐ新宿マップ」や、新宿区立花園小学校の児童とのフラワーアートワークショップなど、さまざまな企画が決定。数珠つなぎに「新宿90スナップ」の輪が広がっていくなかで、新宿のまちは根底で強くつながっているのだと実感しました。

  • 紀伊國屋書店で開催した「本で紡ぐ新宿マップ」。従業員が描いた手書きPOPで、新宿が登場する本をご紹介
  • 紀伊國屋書店で開催した「本で紡ぐ新宿マップ」。従業員が描いた手書きPOPで、新宿が登場する本をご紹介
  • 紀伊國屋書店で開催した「本で紡ぐ新宿マップ」。従業員が描いた手書きPOPで、新宿が登場する本をご紹介
紀伊國屋書店で開催した「本で紡ぐ新宿マップ」。従業員が描いた手書きPOPで、新宿が登場する本をご紹介
  • 「フラワーアートワークショップ」では、店内の装飾で使われた花やアイ・ガーデンの整備で出た枝材などを再利用
  • 「フラワーアートワークショップ」では、店内の装飾で使われた花やアイ・ガーデンの整備で出た枝材などを再利用
「フラワーアートワークショップ」では、店内の装飾で使われた花やアイ・ガーデンの整備で出た枝材などを再利用

“こころ動かす、ひとの力で。”という企業理念を発信したタイミングだからこそ、伊勢丹新宿本店が「ひとの力で」新宿の魅力を発信していく本企画にたどり着くことができました。
重要戦略の“まち化”の推進に向けて「新宿90スナップ」などで生まれたつながりを大切にし、10年後の100周年、そしてさらにその先に向けて、より一層新宿のまちの方々と連携し、まちの発展に貢献していきます。

丸井今井札幌本店:次世代の地域発展を担う高校生による販売実習会を継続的に実施

丸井今井札幌本店では1992年から、下川商業高校販売実習会を行っています。
高校生の職業教育の充実と次世代の地域の担い手の育成を通じて、地域の持続的発展に貢献するために取り組み、今年で35回目となります。
販売実習会には3年生全員の32人が参加。生徒自身で販売戦略を練り、商品を仕入れ、魅力を伝える研究や、接客の練習などを重ね、地元特産品を販売します。生徒が地元の製麺会社と協働し、味の開発からラベル製作まで行ったオリジナル商品「とまとうどん」も出品。まちの魅力や商品のこだわりを丁寧に伝え、お客さまからは「明るく元気に応対する生徒さんに元気をいただいた。地域が活気づく」など感謝の言葉をたくさんいただきました。販売実習会を終えた生徒からは、充実感や自信に満ちた笑顔があふれていました。
今後も、将来の地域社会・経済の発展を担う学生へのサポートを通じて、地域社会への貢献につながる取り組みを進めていきます。

  • 開店時、お客さまをお迎えする下川商業高校3年生の皆さま開店時、お客さまをお迎えする北海道下川商業高等学校3年生の皆さま
  • オリジナル商品「トマトうどん」オリジナル商品「とまとうどん」

新潟伊勢丹:地域が持つ価値や魅力を「再発見」「新編集」して発信

  • 新潟伊勢丹では2016年3月から、新潟の地域価値向上に取り組む「NIIGATA 越品(ニイガタ エッピン)」プロジェクトを行っています。百貨店独自の視点で、衣食住にまつわる銘品を発掘・編集し、ご紹介しています。「売るより、価値を伝える」をコンセプトに、モノを売るだけではなく、その背景にあるストーリーやこだわりが伝わるよう、さまざまな形で提案、発信しています。

  • NIIGATA 越品

NIIGATA 越品ショップでは、まだまだ知られていない新潟ならではの食品や、優れた工芸品を数多く取り揃えています。より多くのお客さまに知っていただけるように、ものづくりの背景や、卓越した技術を接客やウェブサイトを通じて、丁寧にご紹介しています。お客さまからは「こんな素敵な商品をつくるメーカーが新潟県内にあったなんて知らなかった」「このショップに来ると新潟の知らなかった銘品に出合えてうれしい」など温かい声をいただいています。お客さまお一人お一人が思い描く新潟のイメージを「越える」すばらしい出合いがある「発掘感」あふれるショップづくりをし、現在では、約700アイテムを取り扱っています。
単なる商品・ブランドづくりにとどまらず、地域創生の視点に立ち、新たな価値創造・価値開発につながるよう、生産者や事業者、自治体の皆さまと共創し、「ここにしかないオンリーワン」をつくる取り組みを目指しています。

  • 「NIIGATA 越品」ショップの様子NIIGATA 越品ショップの様子
  • 「NIIGATA 越品」ショップの様子竹細工商品の数々

新潟伊勢丹:環境に配慮したライスレジン素材を通じた地域との協創

  • 当社グループでは、包装資材の総量抑制を通じたCO2削減に取り組んでいます。(株)新潟三越伊勢丹では、最低限必要な包装資材のプラスチックも、環境配慮素材に転換しています。その一環として、2021年4月からライスレジン製プラスチックをギフト包装材に使用しています。ライスレジンとは、食品に適さない古米、砕米、削米などを加工したバイオマスプラスチックです。国内有数の米どころ、新潟ならではの素材です。地域特性を活かすとともに、食品に適さない米を使用するので食品ロスの解決にもなります。この事業を進めるにあたりパートナーとなったのが、バイオマスプラスチック開発技術をもつ、(株)バイオマスレジン南魚沼です。

  • 非食用米から作るライスレジン非食用米から作るライスレジン

包装材での活用に加えて、ライスレジンの認知度向上を図ることで、ステークホルダーとともに環境と地域貢献について考える機会を創出しています。
お客さまに対しては、新潟伊勢丹内の新潟の逸品を紹介する「NIIGATA 越品」において、ライスレジンが使用された子ども用玩具、カトラリーや食器などの商品を展示・販売しています。店内の喫茶やレストランの一部の店舗では、ライスレジンを使用した箸・スプーン・ストローを導入し、実際にお使いいただいています。従業員に対しては、従業員食堂にてライスレジン使用のカトラリーを導入しています。
2021年9月に(株)新潟三越伊勢丹は、(株)バイオマスレジン南魚沼とライスレジンの更なる使用拡大に向け、販売代理店契約と物販基本契約を締結しました。今後もライスレジンの取り組みを拡充していきます。

  • ライスレジンを使ったカトラリーライスレジンを使ったカトラリー
  • 「NIIGATA越品コーナー」での展示・販売「NIIGATA越品コーナー」での展示・販売

広島三越:地域の障がい者の社会活動支援

  • (公社)広島県就労振興センターおよび広島市就労支援センターの協力のもと、県内の障害福祉サービス事業所や特別支援学校が出店する「おひさまマルシェ」を年1回開催しています。
    「おひさまマルシェ」では、障害福祉サービス事業所でつくられた食品や雑貨などを販売し、障がいをもつ方の経済的自立を目指すとともに、事業所の活動を広く知っていただく機会を提供しています。
    2022年4月には、新型コロナウイルス感染症の拡大によりイベント出店の見合わせを余儀なくされた、広島県内約30の事業所に参画いただきました。2回目の開催を迎え、イベントの認知度が向上しており、売上が大きく拡大しただけでなく、障がいのある方のモチベーションアップにつながりました。本イベントをきっかけに、事業所同士が連携し、新たな販路や商品が生まれたという事例もあります。今後も、共生社会の実現に向けて、事業所・お客さまに喜んでいただけるイベントを目指してまいります。

  • 広島三越:地域の障がい者の社会活動支援

星ヶ丘三越:「地域のパートナーズストア」としてリニューアルオープン

星ヶ丘三越は、地域社会との協創に取り組む「地域のパートナーズストア」として、2022年10月にリモデルオープンしました。地域のお客さまに寄り添いながら、より豊かな暮らしをお手伝いするとともに、近隣コミュニティと協力し、魅力あるまちづくりにも貢献しています。
2022年10月には、東海地方の輝くヒト・モノ・コトにフォーカスした「東海推しウィーク」を開催しました。今回初の取り組みとして実施した東山動植物園とのコラボレーション企画では、オリジナルアイテムの販売や、家族でのお出かけスタイル、行楽弁当をご提案し、相互送客・人流活性を生み出しました。そのほかにも、地元のブランドやアーティストをご紹介するなど、東海地区の新たな魅力を発信しています。
また、子ども・若者などの次世代支援にも積極的に参加しています。東山遊園(株)が運営する「星が丘テラス」と合同で、名古屋市千種区の幼稚園12施設に、組み立て式サッカーボールを寄贈しました。キットを組み立てる達成感や、プレイを通じたコミュニケーションなど、地域の子どもたちに学習の楽しさとスポーツの魅力を届けています。
隣接する椙山女学園大学とは、長年にわたり合同での取り組みを実施しています。星ヶ丘三越の社員がゼミに参加し、百貨店を取り巻く環境や課題点などをレクチャーしたうえで、学生自らが商品開発やパッケージデザイン、PR活動を実践しました。社会と関わりながら体験学習することで、マネジメント力を育成しています。今後もこのような取り組みを強化し、地域を活性化していきます。

  • 若竹幼稚園の皆さん若竹幼稚園の皆さん
  • 椙山女学園大学の皆さん椙山女学園大学の皆さん

岩田屋三越:従業員が主体的に地域の課題を学ぶ「岩田屋三越ファーム」プロジェクト

(株)岩田屋三越では、農作物の育成や収穫を通して、従業員が主体的に地域の現状や社会課題を知ることを目的とした「岩田屋三越ファーム」プロジェクトを実施しています。
このプロジェクトは、2017年度に佐賀県唐津市「大浦の棚田」で米作りをしたことから始まります。その後、2018年度には、福岡県筑後市でお茶の栽培を、福岡三越屋上で屋上養蜂を、2020年度には熊本県菊池市で栗の栽培を開始し、同じ2020年度には銘茶のふるさと、福岡県八女市でもお茶の栽培を開始しました。育てる農作物の種類や作業する場所が増えることは、多角的な社会課題の発見につながっています。
最近は気候変動に伴い、九州地方は災害に見舞われることが増えています。その影響で、米作りは2020年度より地元、福岡県朝倉郡東峰村竹地区に生産の場を移しました。竹地区の棚田は、蛍の生息地の名所です。しかし、2017年の九州北部豪雨による水害で壊滅的な被害をうけ、蛍の姿はほとんど見ることができなくなりました。竹地区の棚田の復活と維持の一助となるため、2020年度から棚田米作りを開始。蛍が戻る日に向けて活動を続けています。
収穫した農作物は、商品として店頭で販売しています。中には、お中元・お歳暮のギフトになるものもあります。手間暇かけて農作物を育てることは、従業員の意識を変えています。また、商品の販売時にその体験をお客さまにお伝えすることで、農業を中心とした環境問題への関心を高めていただいています。
(株)岩田屋三越では今後もこの取り組みを強化してまいります。

  • 日本の棚田百選、東峰村の「竹棚田」日本の棚田百選、東峰村の「竹棚田」
  • 収穫したお米を使用した商品収穫したお米を使用した商品
■INTERVIEW 【地域社会との協創】地元の農作物を、地元の人々と共に育み、伝えます。
  • 私たち4人は、ファームプロジェクトメンバーの一員として、説明にあるように、農作物の育成から商品化・販売まですべての工程に参加しています。実際の作業、特に農作業は想像以上に体力的にきついです。その体験だけでも収穫ですが、苦労して作ったものをお客さまの手に届ける喜びは地域により強い思いを抱くきっかけをつくってくれました。
    近年は気候変動に伴い、九州は毎年のように災害に見舞われています。同じ福岡に住んでいながら、それまでニュース上の出来事のように感じていたことも、このプロジェクトの活動を進めていくうちに各地域の被災を、自分事として捉えるようになりました。生産者の皆さまの苦労がわかるからこそ、募金活動やボランティアだけでなく、継続的な復興支援のために米作りの場を移転した理由もそこにあります。
    当初はモノづくりの過程を知る、という観点で始めたプロジェクトですが、ともに作業をすることでできた地域の方々との絆を通じて、(株)岩田屋三越が地元の企業であるからこそ、より福岡の活性化に関わりたいと、その実施目的が次のステージに上がったように思います。
    2022年1月に「福岡県ふるさと物産展」を開催しました。そこでは、作り手を取り巻く環境、後継者問題も含めて、プロジェクトをご紹介。農家の方をお招きして、お客さまと接する機会を設け、農家の方が、商品開発のタネを発見できるお手伝いしました。この機会を通じ、私たちがプロジェクトで学んだことを、生産者の皆さまとお客さまにお伝えし、「食を通したつながりの輪」を広げることで「地域貢献」を目指していきたいと思います。

  • (株)岩田屋三越 食品レストラン営業部 青柳 健一 尾崎 秀人 佐藤 克美 石松 瑞樹 (株)岩田屋三越 食品レストラン営業部
    (左から順に)
    青柳 健一
    尾崎 秀人
    佐藤 克美
    石松 瑞樹

    ※所属は2021年11月時点のものです。

株式会社ディ・エフ・エフ, 三越伊勢丹HDS 総務統括部 総務企画部

社会貢献活動

三越伊勢丹グループでは、公共性の高い百貨店店舗を活かし、募金活動や商品販売を通じたチャリティ活動などを実施しています。また、地域の清掃活動や公益財団法人による奨学金給付事業を行うなど、社会貢献につながる活動を推進しています。

地域で働く方々とともに清掃活動

  • 当社グループでは社会貢献の一環として、店舗周辺や地域の清掃活動を行っています。国内外からの旅行客など来街者が増えるなか、清潔できれいなまちづくりの一助となるべく、従業員によるごみ拾い活動を実施しています。
    伊勢丹新宿本店の外商部は、新宿歌舞伎町での清掃活動に参加しています。伊勢丹新宿本店とパートナー契約を締結しているサッカークラブ「クリアソン新宿」のメンバーが地域リーダーを務める、NPO法人グリーンバードと共に活動。地域の企業、サッカー選手、歌舞伎町で働く方々、海外からの留学生など、業種を超えた方々とのコミュニケーションを通じて、社会的責任を果たしながら地域との結びつきを強固にしています。

  • 「クリアソン新宿」のメンバーと共に、地域清掃活動を実施「クリアソン新宿」のメンバーと共に、地域清掃活動を実施

近隣飲食店のテイクアウトランチ販売をサポート

緊急事態宣言の発出(2020年4月~5月)は、小売業だけでなく、様々な業態に影響を及ぼしました。
地域に元気を取り戻すため、宣言終了後、(株)静岡伊勢丹では、これまでのテイクアウト販売で培ったノウハウ(内容・価格)と場所や販売業務を、近隣の個人経営の飲食店7店に提供しました。
メニューがふえたことは、近隣の官公庁やオフィスにお勤めの従来からのお客さまはもちろん、「お弁当を買うことで少しでも役に立ちたい」というお客さまに好評で、連日完売しました。
この結果を受け、(株)静岡伊勢丹では地域社会への貢献により力を入れることになりました。2020年度より、静岡県と山梨県が共同で行っている「バイ・ふじのくに」に参画しています。

  • 近隣飲食店弁当販売近隣飲食店弁当販売
  • 「バイ・ふじのくに」直売風景「バイ・ふじのくに」直売風景

伊勢丹奨学会が、奨学生向け交流会を初開催

  • 伊勢丹奨学会は、旧・(株)伊勢丹の創業家が1963年に財団法人として設立し、後に公益財団法人として認定を受けました。これまで約60年にわたり、東京都内および近隣県にある指定7大学の商業、経済および経営関係学部に在学する、学力優秀でありながら経済的理由により就学困難な学生を対象に奨学金給付事業を行っています。
    2022年11月には、奨学生向けに有益な情報や交流の場を提供する「講演・交流会」を初めて開催しました。学生の関心が高い経営や新規事業開発秘話の講演は、多くの学生が興味深そうに聴講し、質疑応答も活発に行われました。

  • 講演会の様子講演会の様子
  • グループディスカッションでは、学生生活で力を入れていることをテーマにエピソードを共有。学校や学年を超えた仲間と積極的にコミュニケーションを深めていました。
    (公財)伊勢丹奨学会では、今後も将来の社会・経済の発展を担う優秀な学生へのサポートを通じて、社会貢献に取り組んでいきます。

  • グループディスカッションの様子グループディスカッションの様子

WEB募金の仕組み導入

  • 社会貢献活動の一環として、キャッシュレスでチャリティにご参加いただける「三越伊勢丹グループ WEB募金・寄付サイト」を導入。クレジットカードをはじめ、エムアイポイントやふるさと納税制度を利用した寄付を実施しています。

  • 「三越伊勢丹グループ WEB募金・寄付サイト」「三越伊勢丹グループ WEB募金・寄付サイト」

ピンクリボンキャンペーンへの取り組み

お客さま・従業員ともに多くの女性に支えられている当社グループでは、乳がん早期治療の啓発活動「ピンクリボンキャンペーン」を実施しています。
伊勢丹店舗では2007年より、三越店舗では2014年より、2016年からはグループ全体に拡大して取り組んでいます。
2022年度からは店頭募金に加え、WEB募金も実施しています。皆さまのご協力の結果、2022年度の寄付金額は466,800円となりました。
この寄付金は、活動開始当初よりご協力いただいている認定NPO法人乳房健康研究会をはじめ、店舗の所在地域の活動団体へ寄付され、乳がんの早期発見に向けた様々な啓発活動に役立てられます。

エムアイカードポイントの寄付先拡充

(株)エムアイカードでは、ポイント交換サイト上で日本赤十字社への寄付ができるようになりました。集まりました寄付は、新型コロナウイルス感染症対策を含む、日本赤十字社の活動全般に役立てられます。
また、エムアイカード公式ホームページでは、新型コロナウイルスの影響で様々な活動の自粛などにより多大な影響を受けている食品業界を支援する取り組みとして、フードロス削減に取り組むサイトとの連携も行っています。

主な募金・寄付金一覧(2022年度)
期間 タイトル 金額(千円) 実施店舗 寄付先
4月~2月 コロナ募金 2,629 グループ全店 日本赤十字社
7月~9月 ウクライナ人道支援募金 474 専用サイト 国連UNHCR協会
2月~3月 トルコ・シリア募金 1,475 専用サイトおよびグループ全店 日本赤十字社
10月 ピンクリボン募金 467 伊勢丹新宿本店、伊勢丹立川店、函館丸井今井、仙台三越、静岡伊勢丹、ジェイアール京都伊勢丹、高松三越 乳房健康研究会、ピンクリボンかがわ県協議会
年間 エムアイカード1ポイント
=1円としてお客さまから寄付
1,315 エムアイカードウェブサイト 日本赤十字社
5,191 東京国立博物館、国立科学博物館、京都国立博物館、鎮守の森プロジェクト、名古屋市観光文化交流局、鹿島神宮
エムアイ友の会の収益から
一定の金額を寄付
995 グループ各店友の会カウンター (一社)more trees
海外店舗寄付金(2022年度)
海外店 金額(千円)
シンガポール伊勢丹 804
クアラルンプール伊勢丹 285
天津伊勢丹・天津濱海新区伊勢丹 139
米国三越 565

※2023年3月末のレートで円換算

株式会社ディ・エフ・エフ, 三越伊勢丹HDS 総務統括部 総務企画部